今やバーホッピングのメッカとなりつつある石川町に、また新たにワインバーがオープンした。その名もワインバー右岸(ウガン)。石川町で右岸と聞くと、この界隈をよく知る人は、似た名前の日本酒専門バー、サガンを思い出すかもしれない。そう、右岸とサガンは姉妹店で、本誌でもおなじみのハマッ子・前田征道がオーナーを務める。
今年3月にオープンした右岸は、とにかく入りやすく開放的な店だ。ガラス張りの明るい店内には15席ほどの椅子があるが、あえてカウンター近くに立ってスタッフとおしゃべりを楽しむ客もいるという。フードは、元町のイタリアンレストラン、パパダビデで調理された絶品のラザニアやリゾット、オムレツや生ハムなど、ワインに合うメニューが用意されており、手頃なサイズで、すべて300円から500円で提供されている。そして横浜君嶋屋の君嶋哲至がセレクトした本格ワインが、グラス(600円)とボトル、いずれも良心的な価格で提供されている。
「午後3時から飲みたいと思った時に飲めるお店は少ないから」と、自身もお酒が大好きという店長の横山登代子は言う。石川町出身の横山が、こちらの気持ちをほっこりあたためるような笑顔で、ますます盛り上がりを見せるこのエリアの魅力を語ってくれる。右岸については、「一人でも気軽に来られるアットホームなお店」であるという。ワインバーとしては、なかなかカジュアルである。
店内は全席禁煙。夏に向けてテラス席も増やしていくので、子供連れの家族や犬の散歩途中の人が一杯飲みに立ち寄るのも大歓迎とのこと。この店の驚くべきもう一つの楽しみ方は、ワインを飲んでいる途中で日本酒に種目変更したくなったら、なんとサガンのメニューも楽しめるということ! 同じ敷地内の廊下で繋がっているという右岸とサガン。ふらっとサガンに移動して、日本酒とマグロの刺身を楽しんでまた戻ってくる。そんな贅沢な楽しみ方もできるのだ。なんとも愉快で、飲兵衛に優しい。石川町から、ますます目が離せなくなりそうだ。