横浜は港町というだけあって、新鮮でいろんな種類の魚介類が手に入る。ただ、東京の築地市場に馴染みのある人は多いと思うが、横浜にもそういった賑やかな市場があることを知る人はほとんどいないだろう。普段は専門の業者しか入れない場所なのだが、月に二回の土曜日だけ、朝9時から11時まで一般の人も入場できるようになっている。
せっかくなので、十分楽しむためにも早めに到着して、駐車場の右手に並んだ10軒ほどある小さな食事処で水揚げされたばかりの魚をいただこう。千円以下のシンプルなセットから、刺身の盛り合わせといったもっと高価なメニューまで、値段もさまざま。自分で魚を料理してみたいという人には、小銭程度の料金で魚のさばき方や料理のレッスンを受けられる場合もあるので、ホームページで月ごとの案内を確認してほしい。
魚市場ではどのお店でもお買い得品を見つけられるが、特に狙い目なのは閉店前。魚は文字通り、頭からしっぽまで売られている。頭やマグロの目玉が気になるって?どうぞ、それも買えますよ。加えて、貝やエビなどの甲殻類、あるいは魚のすり身に海藻類、さらには地元で採れた野菜売り場まであって品揃え豊富だ。だが、一番お得感があるのは、9時から市場の一角で無料で振る舞われる味噌汁だろう。想像できると思うが、係の人はせっせとお椀に味噌汁をよそっているので、寒い日はなおさらのこと、とても忙しくしている。
どうやってプロが大きなマグロをさばくのか、実際に見てみたい人にはマグロの解体ショーがオススメ。だいたい9時過ぎと10時過ぎの2回行われる。自分はプロ並みに上手に魚をおろせるという人には、地魚の詰め放題のイベント(9:30~)に参加してみるのも良いだろう。参加料300円でビニール袋が1枚もらえるので、その中に30秒間で大きなケースに入っている県内漁港で獲れた地魚(ほとんどが30センチ以下の魚)を詰め込む、というもの。ケース内の魚が少なくなると係の人が補充してくれるが、とはいえそこは早い者勝ち。参加者の行列もあっという間にできるので、そのこともご留意の上、楽しんで欲しい。