横浜のビアシーンは常に前進し続けている。昨年12月、できたての素晴らしいクラフトビールを楽しめる場所が、この街に新たに一つ加わった。十日市場のTDM1874だ。同店はブルーパブ(醸造所兼パブ)であると同時に酒販店である。上質なお酒の愛好家は、なかなかそこから立ち去ることができないだろう。
生まれも育ちも横浜、酒商である株式会社坂口屋の5代目を務める代表取締役の加藤修一は、老朽化した当初の店をリフォームする代わりに、ブルーパブでもあり酒販店でもある施設の建設に思い至った。いくつものブルワリーを見学して構想を練り、準備を重ねた結果、2年後ついに彼の計画が実を結んだ。
計画段階で、幸運にも加藤は共通の友人を通じて、熟練の英国人ブルワーであるジョージ・ジュニパーの紹介を受けた。最後のパズルピースを見つけ、醸造が始まった。英国で研鑽を積んでいたジュニパーは、当時、ヘッドブルワーとして彼の技術を発揮する場を探していたのだ。
TDM1874では、その場で醸造されたオリジナルビールが4種(ハーフパイント420円〜、パイント700円〜)とアサヒスーパードライ(グラス450円)が提供されている。日替わりでワインと日本酒もグラスで注文可能(料金は異なる)で、角打ちもできる(別途500円かかる)。小サイズのピザ(790円)のほか、20種類以上のフードがメニューに並ぶ。
醸造エリアはガラスで仕切られているため、醸造設備や醸造風景を眺めることができる。バーに数席、店の中と外にテーブル席がいくつか設けられている。日によって夜は混むことがあるとのことなので、訪れる際にはあらかじめ予約した方がよいだろう。