いつものおうち時間が、とっておきの時間になるような、美味しいマフィンの店があると聞き、開店前に「タスマフィン」を訪れると、既に5~6人が並んでいた。店内にはオーナーの阿津澤明子が選んだアイテムがちりばめられており、アットホームな雰囲気が漂う。席はイートイン用のカウンター4席と、端には小さなテーブル席が用意されている。
マフィンは主に週替わりで7種類楽しめ、取材時はレモンカード&アールグレイ(290円)と抹茶&ホワイトチョコレート(300円)を試食した。レモンカードのほのかな酸味が絶妙にマッチしたアールグレイ生地と、抹茶の香りの奥に広がるホワイトチョコレート味、どちらもこだわりを感じさせる。ラインナップはインスタグラムでも紹介されているのでぜひチェックしてみよう。マフィンは人気が高く、昼過ぎに売り切れてしまうこともあるそうだが、ほかのメニューも秀逸だ。浅煎りから深煎りまで、9種類の豆から選べるハンドドリップコーヒー(500円~)のほか、ピザ、ティラミスやパンナコッタも味わえる。
イタリアンレストランやカフェで修行を積んだ阿津澤は、4年前に京急戸部駅で同店をオープンした。彼女は、この街の人の温かさに魅力を感じ、つねに縁を感じてきたと話す。今後の目標を尋ねると「ずっと先の目標よりも、今やりたい事がいっぱいあって、それを毎日楽しんでいる感じです。そのときに作りたいものを作っていて、それがとてもやり甲斐があって楽しいのです」と、おだやかな様子で話してくれた。その言葉からも、毎日を丁寧に過ごしている様子が伝わってくる。そんな阿津澤の人柄に惹かれて、電車に乗って遠くから通う常連客もいるのだと、他のお客様がそっと教えてくれた。