ポートフォリオレビューというと、写真関連の企業の主催するものから、自治体と大手企業が連携して開催するものまでたくさんのレビューが日本中で開催されている。ポートフォリオ レビューという言葉を紐解いていくと「アルルにおける国際的な写真の出会い」(Rencontres Internationales de la Photographie d’ Arles)にたどり着く。ポートフォリオレビューのきっかけは、約30年前フェスティバル期間中にフランス王立図書館館長が、ホテルのロビーで写真家達のポートフォリオを見て気に入った作品があればその場で買い上げ、図書館に収蔵していったということらしい。
海外でいうポートフォリオレビューは、写真市場にとても近いところにある。一方で日本でいうポートフォリオレビューは、講評の場であり次のステップへ進むための登竜門的な意味合いが強い。よって海外の場合多くのお金が動くということもあり、スポンサーが付きやすい。日本の場合ステップアップの場なのでお金はあまり動かない。つまりスポンサーが付きにくい。大きなポートフォリオレビューが日本で開催されない理由がそこにあるのかもしれない。「アルルにおける国際的な写真の出会い」(Rencontres Internationales de la Photographie d’ Arles)つまり、写真を通して様々な出会いを創出する。これを私たち THE DARKROOMなりに解釈するとこうなる。
「写真業界のエキスパートを野毛の街(飲食店)に招いて飲んだり食べたりしながら写真談義をしよう!」
実際のところ、私達が主催するヨコハマフォトフェスティバルのレビューでも、会場の赤レンガ倉庫から野毛に流れてレビューのようなことになっているらしい。だったらいっそのこと最初から野毛でやってしまえばいい、という声をレビュアーの方々からもいただいた。それを言われたら身も蓋も無いのだが、そこはそれで楽しく出来ればそれでいいじゃないか、ということで今年の春先に「野毛まちなかフォトフェスティバル」をスタートさせることにした。レビューという言葉は比較的浸透してきてはいるが、大半の日本の写真家やカメラマンは、残念ながらアマチュアイズムから抜け切れていない。既にアマチュアを通り越して立派な作家として成立しているにもかかわらず、「自分はまだまだです」という人が多すぎる。ということでヨコハマフォトフェスティバルのレビューの前哨戦として気楽に参加できるレビューにしたいと考えている。
郷に入れば郷に従え——野毛に入れば野毛に従え。朱に交われば赤くなる——酒に交われば赤くなる。写真発祥の地の一つとしてあげられる野毛で、おおいに写真を語ってもらいたい。
「野毛まちなかフォトフェスティバル」
詳細は ヨコハマフォトフェスティバル オフィシャルホームページを確認して欲しい。