中丸吾郎先生は、中区石川町に位置するなかまる歯科クリニックの院長を務める。日本語と英語どちらでも対応可能な歯科医院で、丁寧な対応と正確な治療で患者さんの健康的な口腔環境作りに尽力している。日本のみならず歯科先進国であるアメリカでも経験を積み、グローバル・スタンダードに目を向けた治療で、歯科医師に向けたセミナーなども行っている。
なかまる歯科クリニックでは自由診療のみの診察ですが、そのメリットは何でしょうか。
日本の保険を辞退してからの治療結果は、辞退する前に比べて遥かに良くなりました。日本では保険診療を扱っている歯科医院がほとんどですが、日本の健康保険のシステムを適用していた頃は、1回の治療時間を30分ほどでまとめなくてはならなかった為、しっかりと現状を把握し、最適な治療の計画を立てることが難しいと感じていました。きちんとした治療を求める中で、自由治療を選択する必要性があったのです。その結果、一人の患者さんに十分な時間を使うことができ、マイクロ治療という新しい技術も取り入れられるようになりました。自由治療に変えた事で仕事がもっと楽しくなって、自分のモチベーションも上がりました。
マイクロ治療とはどのようなものですか?
マイクロ治療とは、マイクロスコープを使用した歯科治療のことです。精密歯科治療には必須な技術ですが、使いこなすには多くの時間的投資が必要です。例えば、練習や専門的知識を得るためのセミナーや学会への参加、また、マイクロスコープやその他の器具などの物理的投資も必要になってきます。人間の目では0.2mm以下の世界は見ることが難しいので、しっかりと治療するには拡大しなくてはなりません。マイクロスコープを使用することで、見えなかったものが見えるようになり、より正確で精度の高い診断と治療を行えるようになりました。
先生はプライベートで柔術をされると伺いました。
はい。AXIS柔術アカデミーという所に7年通っています。柔術というのは寝技を主体とした格闘技で、肉体的に健康になれるだけではなく、精神的にもストレスを解消できることや、感情のコントロールが上手くなるなどのメリットがあります。アカデミーを通して、性別、年齢、職業、国籍など関わらず素晴らしい仲間も出来ましたし、人生が充実しています。また、歯科医師としての仕事も柔術も、技術を磨くという部分で共通しており、努力を楽しめるようになったと感じます。日常生活や仕事でも創意工夫をするという意識も芽生え、柔術で培ったものが仕事にも活きていると感じます。「一念岩をも通す」歯科医療も柔術も学び続けることが楽しく、大切なのです。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い厳しい状況が続く中、感染のリスクを抑えるために何かされていることはありますか?
元々、歯医者というのは患者さんとの物理的な距離が近いので、感染症対策としてコロナが流行する前から、当院ではトップクラスの消毒/減菌を徹底的に行ってきました。それに加えて換気や治療器具に使い捨てプラスチックフィルムを貼り、使用するたびに取り変え、安心して治療できる空間を作っています。
これからはウィズコロナ時代と言われていますが、自粛生活が続く中、私たち自身が気をつけるべきことはありますか?
免疫力を高めることが大切です。健康的な食事や睡眠、適度な運動を心がけること。口腔ケアも免疫力アップに繋がります。小さなステップだとしても一人一人の協力で現状を変えることができます。