夏が終わり秋が顔を出しそうなこの時期、息を飲むような鍋割山の自然を訪れてみてはいかがだろうか。丹沢大山国定公園の中にある鍋割山からは、富士山の絶景を望むことができる。冒険好き、あるいは都会を離れひと休みしたい人にとって、またとない経験ができるはずだ。山頂までの片道は約3時間半と、日帰りで行けるハイキングコースだが、週末を使って1泊するのもよい。登山口のある秦野戸川公園までは、渋沢駅(小田急小田原線)の渋沢駅北口バス停から、大倉行きのバスで行くことができる(乗車時間約10分、210円)。秦野戸川公園には駐車場があるので、車で行くこともできる。公園のパークセンターで、登山の情報や地図、飲料水、軽食を手に入れハイキングに備えよう。
公園から西の方角に進むと大倉から頂上までの直行コースが始まる。標識に沿っていくと、畑を抜け、コンクリートの道路を渡り、山の中に入っていく。そこから二俣までの前半ルートはゆるやかで、さほどきつくはない。二俣から本格的な山道となり、急登を上がっていくと後沢乗越に着く。そこから最後の約30分は、美しい景観を見ながら緩やかな山道を進んでいく。
山頂に着いたら、野菜、あげ、卵の入った具だくさんの鍋焼きうどん(1000円)をいただこう。絶景を眺めながらのうどんは最高だ。日帰りの場合、来た道を戻るか、塔ノ岳(1時間40分ほど)まで足を伸ばしてから山道を降ってもよい。もし時間があるなら、鍋割山荘で1泊するのもおすすめ(素泊まり4500円/泊)。富士山と一緒に見える日の出と日の入りは、少しがんばって鍋割山を登る動機としては十分だ。日帰りでも一泊しても、このハイキングは期待を裏切らないはず。