意匠性の高い円形にくり抜かれた天井が印象的な空間を生み出し、カーブの壁面からは柔らかい光が差し込む。そんなこだわりの建築で本格フレンチのランチコースを、2500円(税込)で食べることができるとあって、店内はいつも地元の人びとで賑わっている。
オーナーシェフの滝戸丞は、学生時代に横浜のステーキ店でアルバイトをしていたことがきっかけで、料理の道へ進むことを決めた。その後、吉祥寺の南欧料理の店で10年間修行したのち、生まれ育ったこの場所に、夫婦でフランス料理店をオープンしたのが2000年のことだ。その時々で内容が変わるランチメニューは、季節のスープ以外の、前菜、肉か魚のメイン料理、デザートとドリンクをそれぞれ選ぶプリフィックス形式。魚料理は、その日の朝に市場で仕入れた魚をさばいて提供している。取材時には、前菜に京都のヒラスズキのカルパッチョと、メイン料理はメジナのソテーをいただいたが、火入れが絶妙で幸福感に満ちた一皿に仕上がっており、魚介系の料理を選ぶお客様が多いというのもうなずける。デザートメニューにある、かぼちゃのプリンは創業当初から変わらないレシピで長年のファンが多い。夏の季節限定で提供される桃のスープも人気メニューの一つだ。「決して都会ではありませんが、この瀬谷という場所でリーズナブルに、気軽に、少し日常から離れてフランス料理を食べながら、おなかも心も満たされ、笑顔で楽しいひと時を過ごしてもらえたら嬉しいです」そのように語る。
「毎年家族の記念日には必ずこの店でお祝いしています」と、その場で出会ったお客様が教えてくれた。温かい雰囲気で地域の人びとから愛されている「モラトゥール」は、スタッフの人柄が最高のスパイスだ。
住所 | 横浜市瀬谷区南台1丁目39−1 |
休日 | 月曜日 |
営業時間 | ランチ 12:00-14:00; ディナー 18:00-21:30 |