以前、横浜シーサイダー第152号で、横浜国際教育学院(以下、YIEA)の和泉雅樹副理事長にインタビューを行った際、コロナ禍で同語学学校が直面している課題について話を伺った。しかし実はもう一つ問題があり、それは、コロナ禍で外国人留学生の日本への入国が困難となっていることだ。今回のインタビューでは、これら留学生がなぜ日本にとって貴重な存在であるかということについて伺うことができた。
YSM: なぜ外国人留学生が日本にとって貴重な存在なのでしょうか?
世界の国々では、それぞれの国を理解する人が世界中に必要なので、外国人留学生が必要だと考えられています。それは日本にもいえることです。日本の場合、その必要性はさらに差し迫っています。日本は島国のため、隣国との国境が地上にはありません。そのため、多くの国民はグローバル志向を持たない傾向にあります。日本を理解する人が必要なだけでなく、日本人の世界に対する関心をかき立ててくれる人が必要なのです。実用的な側面からいうと、より優れた、才能のある労働者が必要です。語学を学ぶことが、日本でのさらなる学びと就職の第一歩であることから、私たちのような語学学校は必要不可欠だといえます。
なぜ海外の学生が日本語を学びたいのでしょうか?
学生の一部は、趣味の一環として日本の文化を体験したり、日本語を学んだりするために来日します。しかし、それは少数派です。ほとんどの学生は、より良い人生を送るために、スキルとして日本語を学びにきます。多くの人にとって、言語は道具です。学生にとっては、大学に進学し、さらなるスキルを身につけ、前途有望なキャリアを見つけるための道具なのです。
常に人気の専攻は、経済学、法学、そして国際商業学です。他の分野は流行りがあり、20年前は、美容師が人気で、その後メイクアップアーティスト、インテリアデザイン、アニメの声優と移り変わり、現在の流行りはパティシエと和食分野です。また、本校ではアニメやアートの学校とのコラボプログラムを宣伝しているので、アート系の学生も急増しています。
学生たちはいつも、観光業や輸出入関係の分野に就職先を見つけることができます。また昨今は、建築デザインやエンジニア、IT、ウェブデザイン、物流、国際法関係への就職も増えてきました。
YIEAの学生の平均的な在学期間を教えてください。
1〜2年です。
YIEAを卒業した学生はどれくらいの割合で日本で就職しますか?
YIEA卒業後、直接就職する学生の割合は毎年約6〜8%ですが、年々増えてきています。進学のために日本に残る学生については、約75%の外国人留学生が大学卒業後に日本に残るというデータがあります。
母国に帰国した学生と連絡を取ることはありますか? また、彼らは日本語を使ってどのような仕事をしていますか?
帰国した学生と連絡を取るようにしています。海外に学生の募集をかけるときは、卒業生に協力を依頼することがあります。また、卒業生を招いて懇親会を開くこともあります。卒業生の母国での就職先はさまざまです。例として、日本語教師、政府事業のプロジェクトリーダー、コンベンション(大規模会議)の誘致、弁護士、ホテル管理人、通訳者があげられます。また、多くの卒業生が起業家として、旅行代理店や語学学校、ダイビング教室、料理教室、異文化体験センター、IT事業、メディア事業などを展開しています。
和泉副理事長、ありがとうございました! 学生たちのさらなるご活躍をお祈りします。