レオーネマルチアーノは、帰りに次回の予約をしたくなるようなイタリアンレストランだ。ベネチアンスタイルの装飾が施された美しいダイニングで頂く、本格的な料理とワイン。しかし、この店の客がまたここに戻ってきたいと思う理由は、どうやらそれだけではないようだ。
店の入口を入るとすぐ、ワインとおつまみを片手に厨房のシェフと会話が楽しめる、バールのようなカウンター席が目に入る。奥に進むとダイニングスペースが広がる。本物の大理石でできた柱が立ち、ガラスの窓から差し込む陽光でステンドグラスが煌めく。店内に流れるのはカンツォーネ、ではなく、イタリアのラジオ放送。厨房からはおいしそうな料理の音と、イタリア語と日本語交じりのおしゃべりが聞こえてくる。
この美しくも陽気なレストランで腕を振るうのが、イタリア人シェフのパオロ・マッツィーニ。客が来ると厨房からひょっこり笑顔を覗かせて歓迎してくれるパオロ。彼の作るパスタには特にファンが多い。ランチタイムのコース(2200円~)では5種類、ディナータイムには約10種類の自家製パスタが提供されている。
アラカルトで一番人気のパスタは、目の前でトリュフをかけて仕上げてくれる、トリュフと生ハムバターソースのタリアテリーネ(3300円)。ホウボウを丸ごと一匹使った絶品アクアパッツァ(5500円)は、焼きたてフォカッチャと一緒に数人でシェアをするのがおすすめとのこと。支配人の門田繁によると、店のコンセプトは「Tutto Vero Italiano(本物のイタリアを食べ尽くす)」。ソムリエールおすすめのイタリアワインとともに味わえば、思わず「Buono!(おいしい!)」と声を上げてしまうだろう。
食事の締めくくりには、日本に数台しかないというアンティークなコーヒーマシーンで淹れるエスプレッソ(420円)を味わいたい。カメラを向ければ、モデルもやっているというサービスディレクターのセルジオ・モレイラが、ニンマリと笑って完璧なポーズを作ってくれるだろう。周りにいるスタッフが思わず笑い出してしまう様子がまた楽しい。イタリアの食堂ってこんな感じかな、と想像が膨らんだ。お腹は一杯だけれど、すでに次回の訪問が楽しみだ。さて、次はどのパスタを食べようかな。