「ラムギ屋」はたまプラーザ駅から徒歩10分程の住宅街の中にある、居心地の良い隠れ家のような小さな店だ。行かれる方は必ず予約すべし。というのも小誌スタッフが訪れた週末の夜、店内は満席だったからだ。
店の名前はこの店が得意とする「ラム肉」と「麦(=ビール)」から取ったものだ。というわけで、当然ながら「ラムチョップ」 (¥450~)を一番オススメしたい。外はこんがりと美味しそうな焼き色、中は柔らかくてジューシー。この美味なる肉には定番のソルト&ペッパーの他、レモン&粒マスタード、パクチーソース、信州ニンニク味噌ダレなど、さまざまな味わい方が用意されている。なぜラム肉のお店を開こうと思ったのか、オーナーの上野晋に尋ねてみた。曰く、故郷の長野県では昔から羊(ラム肉)が身近な食材だったから、とのこと。ラムと言えば北海道のジンギスカンを思い浮かべる人が多いと思うが、長野県は北海道に次いで2番目に羊の畜産が盛んな県らしい。
ビールは主にIPAが並び、タップは8つ(¥800/280ml、¥1100/370ml、¥1400/473ml)。国内外の様々なクラフトビールを飲み比べて、上野が特に魅了されたのがIPAだったという。アメリカ西海岸のものを中心に提供することで、近隣の他店との差別化を図っている。筆者はジャイガンティックブリューイング(オレゴン州ポートランド)の、ジン樽で熟成させた「ブラックベリーブランブル」というフルーティなビールが大いに気に入った。
上野は次のように語ってくれた。「ラムやIPAを好まない人も多いですが、好きな人は必ずいます。万人ウケを狙うのではなく、自分が提供するものを目当てに来てくれる人達が満足できるよう、自分にでき得る最高のものをお出ししたいと思っています」
店づくりに対する彼の熱い思いと努力が注がれたラムギ屋。上野の言葉からは、「今よりもっと良いものを」という飽く無き向上心がはっきりと伝わってくる。それが現在のこの賑わいをもたらしていることは言うまでもない。
店内の座席数はカウンターを含め18席。店の外にも公園に面してカウンターがあり、屋外で気軽に一杯ひっかけることもできる他、テイクアウトもOK。将来は2号店を出し、また故郷の長野県で自らブリュワリーを立ち上げたいという夢も語ってくれた。ぜひ実現しますように!