関東屈指の酒蔵「泉橋酒造」は、横浜からも近い海老名駅から徒歩20〜30分の場所にある。まだ訪れたことがないなら、今が絶好のタイミングだ。最近、「酒友館」というビジターセンターが新たにオープンし、さらに魅力が増した。
この家族経営の酒蔵は1857年に創業した。現在は6代目蔵元の橋場友一が代表を務め、娘の春菜も積極的に事業に関わっている。彼らの日本酒のボトルには象徴的なトンボのロゴがついており、地元の酒販店でも簡単に見つけられる。トンボは、特に家族にとって特別の存在であり、中でも稲穂の上を舞い、収穫前の田んぼを害虫から守る赤トンボは、まるで彼らにとって精霊のような存在だ。
橋場家は酒蔵の経営にとどまらず、公認の米作農家でもある。意外に思われるかもしれないが、日本酒の酒蔵は比較的最近まで自ら米を栽培することが法律で禁止されていた。法改正後も、米作りは決して容易ではないため、その機会を活かす酒蔵は多くなかった。しかし、泉橋酒造は迷うことなく挑戦した。現在は地元の契約農家とともに、酒造りに必要な米の約90%を自社で生産している。まさに「ファームトゥテーブル」(安全で新鮮な食材を、生産者<畑>から消費者<食卓>に直接届けることを意味する)を体現する酒蔵であり、新しくオープンした酒友館では、造りたての日本酒をその場で味わえる。
春菜によると、彼らは酒蔵の敷地内にあった古い貯蔵庫を改装し、ビジターセンターとして生まれ変わらせたという。洗練された温かみのある内装ながらも、高い天井や梁がかつての貯蔵庫の趣を残している。また、このビジターセンターは中庭に面しており、酒蔵では時折、一般向けのイベントも開催されている。
館内には小さなテーブルがいくつか配置されている。また、団体での利用にも適した最大20名ほどが座れる大きなテーブルも2つあり、さらに屋外席も用意されている。酒友館では、受賞歴のある美味しい日本酒はもちろん、酒粕と味噌を使用したクリームチーズをクラッカーにのせたおつまみなど、日本酒と相性の良いシンプルなフードメニューも提供されている。5月頃には、ピザなどのメイン料理もメニューに加わる予定だ。
泉橋酒造の魅力は、これだけにとどまらない。酒蔵見学ツアー(英語対応あり)も実施しており、映像を交えた酒造りの説明、田んぼや酒蔵の見学、日本酒の試飲とおつまみを楽しめる。春菜は「お客様には、ただ日本酒を購入して帰るのではなく、もっと長く滞在して楽しんでもらいたいと思っていました」と語る。その願いは叶い、今では多くの人がじっくりと酒蔵の魅力を堪能できるようになった。ぜひ、事前にツアーを予約するか、気軽に立ち寄り、長年日本酒造りに情熱を注いできた家族が生み出す素晴らしい日本酒と料理を楽しんでみてはいかがだろうか。
ウェブサイト: www.izumibashi.com
住所: 海老名下今泉5-5-1