異文化、それもとりわけ日本のような独特の文化に飛び込もうとする時には勇気と努力が必要だ。単に日本を訪れるのとは違い、この国に住むとなるとやはり日本語を覚えるのは必須。だが、言葉の壁さえ無くなれば、日本に住むという経験はとても価値ある楽しいものとなり得る。もし横浜への留学や就職を考えていて日本語学校を探しているのであれば、YIEA(横浜国際教育学院)の門を叩くだけで十分だ。同校では学生のニーズや要望に応える様々な集中プログラムが提供されており、同校で学んだ学生達の多くが卒業後はめざましい活躍を見せている。今回、小誌はYIEA創設者を母に持つ和泉雅樹副理事長にインタビューする機会に恵まれ、彼女のバックグラウンド及び女性として人の上に立つことについて、深い洞察を得ることができた。
まず最初に和泉副理事長のバックグラウンドを教えていただけますか?
横浜中区育ちのハマっ子です。高校までミッション系インターナショナルスクールに通い、大学、大学院はアメリカでした。山手にあるサンモールインターナショナルスクールが私のルーツです。
この仕事に就くに当たって、影響を受けた方はいらっしゃいますか?
この学校は母が始めました。三十数年前の当時はブローカーや悪徳日本語学校がニュースを賑わせていた時期がありました。母はそれを見て「日本への留学に全てをかけた若者たちが騙され、夢に向かう第一歩が悪夢に変わるのは酷すぎる」と憤慨し、外国からの学生が安心して勉強できる学校を作る決心をしました。
YIEAのミッション或いは目指しているものは何ですか?
日本に来る留学生は自分の可能性にチャレンジするために、人生の1~2年の時間を投資してこの学校に通っています。語学が好き、日本語が好きという人はほんの一握りです。語学力はツールです。日本で進学するため、日本で就職するため、母国で日本関連の企業に就職するためのツールです。そのツールを効率的に身につけさせて、次のゴールに順調にたどり着けるようにサポートして行くのが役目だと考えています。この学校を通じて、学生たちが自分のスキルを高め、自身の可能性を広げて羽ばたくことが出来れば、それが私たちの成功と考えています。
副理事長という立場でどのような役割を果たされているのか、お聞かせください。
私は交通整理係です。学校の業務は多岐にわたり、その一つ一つは私よりも有能で適切な人材に任せています。その全てがうまく回っていることを確認したり、渋滞を予測したりするのが私の役目。一番大事なのは、自分が轢かれないことですね。(笑)
YIEAでは学生の方 / 日本で働きたい外国人の方へのサポート、そして様々な勉強のプログラムを提供されていると思いますが、副理事長としては卒業生がこれから日本の社会においてどのように関わり、貢献してほしいとお考えでしょうか?
留学生たちが日本に良い刺激を与えてくれると良いですね。日本はもう20-30年間も低迷しています。経済的にという意味だけではなく、若い人が目標が見つからなく、野心も意欲も他国の若者に比べて低いと言われている問題です。留学生たちに影響されて、日本の若者にもっと自分の将来や可能性に対して貪欲になって欲しいです。また、日本企業には確かに素晴らしい企業文化がありますが、固定形式にこだわり過ぎて、変化も進化も出来ないで勢いを無くしている会社も多いと言われています。それらの会社に違う視点を持った外国の人が入れば、何か良いことが起きるのではないかと期待したいです。
ご自身にとって「教育」とは何ですか?
その人自身の能力と可能性を引き出すことです。知識や情報は本でもネット上でも取得できます。それらを活用できるスキルを身につけさせて、幅広く考えることを促すことが大切だと思います。話さない学生が、ディベートに参加出来るようになった時。自国で受験に失敗して日本に来ても自信がなく逃げ出そうとした学生が、逃げないで受験すること決意した時。具体的な目標なく留学に来た学生がやりたい事を見つけて頑張り始めた時。そういう時にこそ教育の真価が見えると考えています。
学校を設立するにあたり、横浜を選んだ理由は何でしょうか?
ハマっ子には横浜しかありません。(笑) 横浜は文明開化の地です。古くから外国人が多く、長らく日本の玄関であり、国際港を有する日本第二の都市です。若い人が多くエネルギッシュで、オシャレな街というイメージを持つ横浜は、一度でも訪れると住みたくなる街でもあります。横浜に観光に来て、留学するなら横浜と決めた学生も毎年数名います。
日本はまだ男性中心の社会ですが、女性として人の上に立って仕事をする中で、どのようなご経験をされてきましたか?近年、働く女性に対する見方や取り巻く環境は変わりましたか?
語学教育は女性が多い業種ですので、他業種に比べたら楽かと思います。それでも業界経営レベルの会合に行きますと、今でもタバコをぷかぷかふかす男性ばかりに囲まれますね。
最後に、YIEAの将来に関して成し遂げたいこと・目標としていることはありますか?
学校は絶えず進化していかなければなりません。ちょうど2年間をかけたカリキュラムの全面刷新を終えたところですが、これからも学生のニーズに合わせて、いつも最善の授業を提供していけるようにしたいと考えています。