日本でありながら、日本でないどこか――YCC ヨコハマ創造都市センターの3階に、そんな国家や文化のはざまを生きる人々とアーティスト・北澤潤が協働で作り上げた「隣人たちの国」が誕生した。
2016年には米経済誌フォーブスの「30 Under 30 Asia」アート部門にも選出され、「コミュニティ・スペシフィック」をテーマに国内外で活動してきた北澤が、海外と日本を行き来する生活の中で感じた「違和感」を出発点とした同展。横浜在住の外国人からプロジェクトメンバー「ネイバーズ」を募り、ミーティングやディスカッションを重ねて生まれたのが「彼らのふるさとの日常、そして横浜の文化を構成する重要な要素としての外国から持ち込まれた文化、両方が混ざっている国を形にする」というコンセプトだ。
会場には、中国の団地の一部屋や、ママックと呼ばれるマレーシアのインド系ムスリムの食堂、パキスタンの住宅にあるという中庭、イタリアのキオスクなど、ネイバーズの生活・記憶をもとに作られた計8カ国のブースが出現。モノづくりや語学の講座、料理教室、各国のドリンクやフード、物品販売など、会期中さまざまなイベントを実施する。
「この展示空間を体験することで、横浜の街自体も“NEIGHBOR’S LAND”として見立ててみることができたら面白い」と話す北澤。同じ横浜に住む「隣人」たちと彼らの多様な文化を知るきっかけとして、まずは“NEIGHBOR’S LAND”を訪れてみてはいかがだろうか。