仲町台駅を背に5分ほど小道を進むと、緑に囲まれた遊歩道に立つ、目にも鮮やかな青い扉の「ベーカリーリゾート ブルーコーナー」が見えてくる。名前の通りリゾートを思わせる明るく心地よい店内には、焼き立てパンとドリンクを楽しめるカフェスペースが併設されている。プロレス団体の代表も務めたという異色の経歴を持つオーナーのハンマーヘッド氏が、ビッグスマイルと力強い握手で迎えてくれる。
年間約400種類のパンが製造される人気ベーカリーだが、陳列棚に並ぶパンの種類は決して多くはない。「パンが余ったから捨てる、という無駄をなくしたい」というオーナーの徹底した想いから、人気のレギュラーパン数種類の他に、月替わりで世界各地の様々な素材と味を楽しめる期間限定のパンが数種類、数を絞って置かれている。「日本では輸入している食材の3分の1を廃棄していると聞いている。生産者が大切に育てた食材を使い、本物の味を求める人に適正価格で提供したい」とハンマーヘッド氏は語る。
こだわりのパンは、すべて防腐剤、膨張剤、イーストフード不使用。沖縄の塩を使った人気No.1の食パン、パンドミ(420円)は、一口噛めば小麦粉の香ばしさと塩が引き出す甘みが口一杯に広がる逸品。クイニーアマン(320円)、白いクリームパン(220円)、北海道バターメロンパン(220円)などのレギュラーパンは本格派ながら、いずれも子供にも大人気だという。また、高齢者には塩分、砂糖控え目のパン、アレルギーを持った子供には乳製品や卵を一切使わないパンなど、1人1人の客のリクエストに応じたパンも焼いてくれる。
ベーカリーがオープンしているのは土曜日から火曜日の4日間のみ。残りの日は、日本各地のレストランやカフェ、企業とタイアップし、パンを使ったオリジナルメニューをプロデュースするために奔走するハンマーヘッド氏。最近、鎌倉の野菜カフェと共同開発した鎌倉大仏パンは、観光客等に注目され、新名物になっているという。ちなみにベーカリーがお休みの日にパンが買えないと困る!という方には、オンラインショップでの購入もおすすめ。ぜひウェブサイトをチェックしてみて欲しい。