横浜にはビールの歴史と豊かな文化がある。日本初のビール醸造所であるスプリングバレー・ブルワリーは、19世紀に山手で誕生した。その後しばらく時を経て、現在も横浜に工場を置くキリンビールへ経営が引き継がれた。(そして近年スプリングバレーを復刻した)横浜には多くのクラフトビール醸造所、そしてアメリカのクラフトビール輸入業者2社の拠点がある。日本で最も古いベルギービールバーの一つ(おそらく最古)は野毛に存在している。ル・タン・ペルデュ、この場所はオーナーの三橋郁夫が野毛大道芸を立ち上げた場所だ。長年にわたり私たちが、横浜をビールの街と呼んでいるのは理由があるのだ。
この伝統はベルギービールウィークエンド(以下BBW)のイベントによって、より一層盛り上がりを見せる。BBWは年に一度のビアフェスで、横浜を含む国内の主要都市を巡るように開催されている。今年は例年通り山下公園で5月16日から19日まで開かれ、ライブ音楽やフレンドリーな参加者、美味しい食事、そして品揃え豊富なベルギービールがあなたを待っている。
ベルギービールの何が特別なのか? 答えはたくさんある。ベルギーという国は関東よりも面積が小さく、東京よりも人口が少ないにも関わらず、世界中で飲まれているビールスタイルの数々を生み出してきた。BBWの調査によると、国内に約430ヶ所のブルワリーが存在し、1600以上の銘柄を生産している。さらに2016年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は、ベルギーのビール文化を無形文化遺産として登録した。ベルギービールの一部がトラピスト修道院内で修道士によって醸造されていることは有名な話で、数百年以上の伝統を受け継いでいる。その他も同様に歴史のあるブルワリーが多く、独特な醸造技術が時を超えて今も残っている。
ベルギービールの高いクオリティは、世界中から崇められる存在だ。お酒を飲むのが好きだけど、まだベルギービールを試したことがないならば、BBWは絶好の機会だろう。お酒は飲まないという方もご安心を。BBWは飲酒の有無にかかわらず、家族で楽しめるフレンドリーなイベントだ。
入場は無料。レジャーシートを持参して公園に広げるか、舞台近くのテーブルを使用することが可能だ。来場者は、お手頃価格のスターターセット(前売り¥3500、当日やイベント開始後の購入は別途料金が追加される)を購入すると、ビールを飲むのに必要なBBW2024専用グラスと、ビールやフードの購入に使用する飲食用コイン10枚が付いてくる(ビールは3〜5枚、フードは2枚〜のコインが必要)。必要に応じて、コインの追加購入も可能だ。会場にはフードとビールを提供するブースが並ぶので、気になったものを選ぶと良いだろう。
ベルギービールを飲むのが初めてで、何から試せば良いか分からないという方もいるかもしれない。しかし、ほとんどのブースがインポーターにより運営されており、ビールに詳しいので問題ない。他にも無料の公式アプリ「BBWalker」(Belgian Beer Walker)をダウンロードすると、会場にあるビールの全情報を知ることができ、味の特徴を簡単に理解できるテイストチャートや会場マップも閲覧できる。興味のあるビールがどこにあるか一目瞭然だ。アプリ内の「ビールカード」という機能では、自分が飲んだビールに対する評価やノートを記録でき、SNSで共有したりウィッシュリストを作成することもできる。
BBWは今年で開催15周年を迎える。予定が合えば、ぜひ山下公園を訪れてほしい。数百年もの歴史をもつベルギービールの素晴らしさを、ぜひ体感してみよう!