建築家ユニットSANAA(サナア)に所属する妹島和世が手掛けた有名な建築を堪能できるブックカフェélever(エルヴェ)。「曲線、光、余白」 がこの建築の魅力であり、そこに本と珈琲というピースが加わり「珈琲が飲める小さな図書館」という店のコンセプトが完成する。平日、休日、朝、昼、晩と、éleverの雰囲気はゆったりと移ろいゆく。フレッシュな朝陽が差し込むモーニング。大きな窓から眺める真っ青な空と柔らかい光の中で、本に囲まれ物思いにふける昼下がり。夜はしっとりと、まるで窓そのものが額縁のように変化し、外の光が美しい絵画のように重なる。
オーナーの堀内拓は美容師としても自身の店を持っており、さらなる地域振興のため、2年前にブックカフェを開業した。そのほとんどが寄贈本で成り立っており、さまざまなジャンルが集まっている。フランス語で「育む」という意味をもつエルヴェ。「本棚もその一部ですが皆様に育てて頂き、ご自身の時間も育んで頂く。それに伴い、関わるスタッフも一緒に育っていけたらありがたいなと思いながら日々を大切にしています。また、チャレンジしたいけど一歩が踏み出せないと思う人に、何かを始めるきっかけになればと思い、クリエイターを招いてワークショップや展示も開催しています」。ここは自由な感性で、思いのままに過ごす空間だ。ブックカフェ利用料600円(+1オーダー制)