1859年、横浜は突如条約港に選ばれた。そして開港当初から日本最高峰の国際貿易港となった。この街の国際的な雰囲気は、西洋や中国からの人口流入によって形成されていき、横浜の文化と食文化は大きな影響を受け開花していった。突然の封建制度の終焉と、街に外国人が押し寄せる光景は、野心のある日本の若者たちを田舎から呼び寄せるには充分で、やがて日本の改革へ繋がっていった。
この輝かしい歴史が『Steadfast』を書くきっかけとなった。この本は、高台から港を見渡す場所に立つインターナショナルスクール、サン・モールと、横浜の絡みあう歴史を辿る一冊だ。横浜の成長を主軸に、国際貿易、国際的な教育、そして日本のキリスト教の苦難の歴史について語っている。主人公は逞しく、断固とし、勇敢で、快活な女性だ(彼女はしばしば、威張っていて偉そうな男性に立ち向かうことになる)。そして物語の舞台は、横浜だけではなく、パリ、長崎、シンガポール、そしてマレーシアも登場する。
2つの世界大戦と壊滅的な大地震を乗り越え、政治的混乱や軍事的な迫害を生き延びたという点で、横浜とサン・モールはまさに運命共同体と言えるだろう。壊されては復活を繰り返し、サン・モールは今もなお、1872年に創立した場所に在り続けている。そのため、この本を『Steadfast』と名付けた(注釈:しっかりとした決心という意味)。当初は、サン・モールの百五十年祭に合わせて出版する予定であったが、経済危機、太平洋を経由した発送、そして国際的な混乱など、さまざまな理由により2年遅れてしまった。しかし、現在はAmazonやサン・モールのオンラインショップで購入が可能だ。詳細はこちら:www.steadfast1872.com