三ッ沢上町は横浜の中でもさほど有名な場所ではないが、飲食店が少ないエリアなだけに、地元の人たちにとって「上町カフェ」は美味しいランチやお茶をする行きつけの場所になっている。店内は入口側のベーカリーと、居心地の良いイートインコーナーの大きく二つに分かれている。後者のイートインは屋外のテラスと繋がっており、テラス席はペット連れでも利用可能だ。この界隈唯一のカフェだが、食事系・スイーツ系共に選択肢が多い。加えて、個人経営のお店にしては値段が驚くほどリーズナブル(小ぶりのペイストリーならたった¥50)なのだ。
本誌スタッフは「フライドチキンドック(¥300)」を試食。カリカリのチキンの上にケチャップ、マスタード、マヨネーズがこれでもかというほどたっぷりかかっていて美味しかった。次回訪問時には「エビカツドック(¥300)」や「ビッグバーグバーガー (¥450)」をぜひ食べてみたい。種類豊富な菓子パン系はちょっと個性的なものをチョイス。「クリームあげパン(¥180)」は、日本の昔ながらの菓子パンにちょっと手を加えたもので、斬新で美味しい。このほか、「かりんとうアンパン(¥180)」や、シナモンパウダーがたっぷりとまぶされスパイシーな香りが漂う「シナモンロール(¥180)」なども、食べて絶対損はしない。「カリカリメロンパン(¥230)」は普通のメロンパンとは違って平らな形をしており、大粒の砂糖が生地表面に散りばめられている。
「上町カフェ」がこの地にオープンしたのは2019年の10月のこと。それまで全く異なる業界で働いていた宝田昭弘だったが、パン屋になりたいという長年の夢をかなえるべく起業を決意。なぜパン屋なのかというと、パンは大人も子供も大好きなものだからだ。この店を始めてからというもの、毎日が楽しくて喜びに満ちている、と宝田は言う。その温かみや幸福感が本物であることは、彼の言葉だけでなく、ほっこりとして寛げる空間や、この店を訪れるお客さんの笑顔を見れば十分頷ける。