まるでクルーザーの中に居るような心地…白と青を基調とした店内でカクテルを手にすれば、誰もがそう感じるに違いない。あえて低くした天井で更に雰囲気を演出しているのだと、オーナーの白川恵がこだわりを聞かせてくれた。カウンターは6席あり、中ではバーテンダー兼店長の古林圭介が腕を振るう。特にオリジナルカクテルがお薦め(¥700~)。この日頼んだビワのカクテルは、ティーリキュールがビワの香りを惹き立たせた印象に残る一杯だった。他にもキウイやスイカにマンゴーなど様々な季節のフルーツカクテルがあり、どのフレーバーも味わい深い。
アメリカのお酒を多く取り揃えていて、ワインもカリフォルニア産が用意されている(グラス¥600、ボトル¥3700~)。料理はチーズやナッツ、ピクルス、オリーブなど軽いおつまみ(各種¥500~、前菜3種盛り合わせ¥1200)からソーセージや自家製チリビーンズを使ったものまで、ワインとの相性も考えられていてバランスがよい。中でもチリポテト(¥700)はぜひ読者にも食べてもらいたい逸品だ。時折開催されるイベントもあり、例えば毎月10日はホタテの日。古林の地元青森県から取り寄せる新鮮なホタテを使った料理がメニューに加わる。屋外のデッキ席は喫煙やペット同伴も可。実はデッキには大桟橋と同じ木材が使われていて、ここにも横浜をこよなく愛する白川のこだわりが表れている。
その昔、多くの人々が横浜から船でアメリカ大陸に渡った。その航路は希望に満ち溢れていたに違いない。ここを訪れたらあなたも太平洋の大海原へと旅立ちたくなるかもしれない。そんな魅力のある場所だ。