自分が住む金沢文庫界隈にローカルなブルーパブが欲しいーそんな熱い思いに駆られ、髙橋慎太郎が2階建ての民家を改装して『南横浜ビール研究所』を立ち上げたのは、今から約3年前のことだった。その”研究所”に足を踏み入れると、まず1階にある150リットルの醸造装置のそばを通って、くねくねした廊下を進む。階段を上がって2階へ行くと、そこがパブだ。パブは二つに仕切られていて、一つはオープンキッチンに面したカウンターとテーブル席、もう一つには畳が敷いてあって居心地のよい和風の造りになっている。後者は元の住居で居間だったところを残したものだ。
高橋は高校の同級生だった荒井昭一を説き伏せ、自分の計画に加わって醸造作業を牽引してもらうことにした。最初の顧客の一人だった大塩奈々子もほどなく参画してバーを手伝うようになり、やがてビール造りにもかかわるように…。この三人組によって造られたオリジナルの自家製ビール5種は、リーズナブルな価格帯(グラス1杯¥480~¥580、ジョッキ1杯 ¥630~¥730)で提供される。本誌スタッフが店を訪れた時のラインナップはペールエール、IPA、ヴァイツェン、インペリアルポーター、そして冬のセゾンの5種だった。ビール以外にもカクテル(全て¥580)、サワーやスピリッツ(¥480~)、飲まない人のためにソフトドリンク(全て¥380)も用意されている。
フード類の構成はシンプルなおつまみ系が中心。例えば、ビール酵母で煮込んだ唐揚げ (¥380)、アジフライ (¥380)、スパイシーグリルチキン (¥780)などに加えて、ポーターで煮込んだビールシチューといった季節限定メ二ューが数品。また、店内全てのドリンクを含む2時間飲み放題付きコース (¥4500~¥5000 料理の内容による) もある。(4名様より・要予約(2日前まで))
収容人数はバーエリアが10名ほど、畳の部屋は16名ほどのスペースがあり、店内禁煙となっている。家族連れでも良し、一人で訪れてカウンター越しにフレンドリーなスタッフとのおしゃべりに興じるもまた楽し、といった雰囲気だ。