桜木町駅から野毛を抜け、ゆったりと流れる大岡川沿いを歩いていると、ふと現れる「be Rock」の文字。私たちを迎えてくれるのは入口に並んだ数々の日本酒のボトルだ。店内は高い天井で開放感があり、カウンターとハイテーブルでモダンな雰囲気。そして川に向いた大きな窓が目を惹く。
一度は就職したものの、醸造を学ぶため学校に通い直すほど日本酒に夢中になったオーナーの田中麻奈は、全国各地の蔵元に自ら足を運び、製造者と直接の会話を通じてお店で出すお酒を決めている。「仕入れは、品揃えのバランスを見ながらその時々に合う銘柄にどんどん入れ替えていきます。お酒は一期一会なんです!」と田中。こだわりの日本酒は季節商品、長熟品が多いため時価での提供だ(1杯500~1,000円程度)。常温メニューが用意されたり、お酒や料理に合わせた酒器で提供されたりする点に、田中の気配りが感じられる。
またフードメニューにもこだわっている。熱海で有名な干物職人(ハイパー干物クリエイター)藤間義孝が作るおひさま干物(鰯半身750円、蝦1尾500円、鯖半身950円)は、文化干しとみりん干しのどちらかを選べる。ふっくら肉厚の身は食べごたえ十分だ。知人の自宅で食べたときの美味しさに魅かれ、特別にお店で提供している山形の静江さんの辛味噌600円(トッピングはキャベツ盛りかクリームチーズ)も、お酒を一層惹き立たせてくれる。
店内にはカウンターが6席と3~4人掛けのテーブル席が3つほど。日本酒の香りを楽しむために全席禁煙だ。大きな窓で切り出された季節ごとの景色とともに、一期一会の日本酒を楽しんでみてほしい。