13年前、私が19歳の時、23歳のお姉ちゃんは日本を飛び出した。「自分の生き方を見つける」と言って。
成田空港まで見送りに行った私は、背の低いお姉ちゃんが大きな荷物を背負って一人で旅立つ姿を見て涙した。自由に生きると決めたお姉ちゃん、一人で新しいことに挑戦するといって出ていったお姉ちゃん。日本のちょうど真裏のアルゼンチンで、家庭を持ち、このコロナ禍も持ち前のやる気と負けん気で乗り越えた小さなお姉ちゃん。
先日、お姉ちゃんから「九州の山奥に良い家を見つけた」との連絡があった。アルゼンチンから家族で日本への移住を考えていたのだ。しかしその場所は、私の住んでいるところからは簡単には行けない、山奥だった。
もう、あなたが帰ってくるならどこでも良い!パスポートが無くても会えるのであれば、どこでも良い!46時間もかけて会いに行くよりは、日本のどこの山奥でも良い!
私は13年前に、もうお姉ちゃんなんて存在は居なくなったんだ、と自分に言い聞かせていたんだ。でもどんなに遠くても良いよ、1年に1度でも会えるのであれば。早く帰ってきて、お姉ちゃん。