ブルーパブ「里武士 馬車道」は、横浜市歴史的建造物を再生したレンガ造りの建物KITANAKA BRICK&WHITEの1階に位置している。歴史を感じさせる外観とは対照的に、店内は明るく開放的でモダンな印象だ。バーカウンターの後ろには新しい醸造設備があり、ガラス越しには作業する様子が見えるようになっている。
里武士は、2014年に長野県の野沢温泉村でトム・リブシーと絵美子・リブシーによって創業された「アングロ・ジャパニーズ・ブルーイング・カンパニー(以下AJB)」のタップルームの名称。名字の「リブシー」に漢字をあてはめたものだ。AJBは幅広い種類のビールをつくっており、それは壁に並ぶ15ものタップ(ハーフ650円~、パイント1200円~)にも表れている。AJBは品質の高い木樽熟成のビールやサワービールをつくることで知られているが、サワービールが好きな人は「ファームハウスブレンド」がおすすめ。AJBはビール醸造以外にも、近々クラフトスピリッツなどの蒸留を開始する予定だ。現在、15タップのうち1タップでレモンサワーやジンカクテルが提供されている。
里武士の料理は、平均的なバーのフードに比べ、質と見た目の美しさが格段に違う。日によって変わるメニューの例としてはホタテのセヴィーチェ、骨付き鴨のコンフィや豚のスネ肉のテリーヌなどがある。取材時、ビールとともに「猪肉のスコッチエッグ」(1100円)を頼み、次に「沖縄焼きハルミチーズ、ハラペーニョラブネ、レンズ豆のサラダ」(1500円)を注文したが、どちらも素晴らしい味わいだった。
里武士 馬車道はどんなシーンにも合う。一人で本を読みながら、窓際の席でビールを楽しんでもいいし、スタンディングのバーで会話を楽しむのもいい。またカウンター席以外にも、15人ほどの団体客も楽しめる、大きな木製のテーブル席が用意されている。