ビールと日本酒。飲食店の多くはこの両方を提供しているが、ルーツの異なる両者の味わいや楽しみ方、合わせる料理を考えたとき、どちらにもこだわり、顧客を満足させることは難しい。だから多くの店は、こだわる酒をひとつのジャンルに絞っている。日ノ出町駅から数分、大岡川沿いの一角にある「内田日和」は、ビールと日本酒の両方を楽しませてくれる数少ない店だ。
オーナーの内田明周は横浜ビールや都内のパブで経験を積み、2018年5月にこの店をオープンした。ビールは内田が時節に合せて選んだクラフトビールを3つオンタップで提供している。この日提供されていたのは、ハーヴェスト・ムーンの赤ぶどうのエール、アウトサイダーブルーイングのBrillante ESB、横浜ビールの横浜ラガー(各種¥750/330ml)。クラフトビールに興味がないという方にはアサヒスーパードライがある。
日本酒選びでユニークなのは、メニューには銘柄ではなく味のタイプしか書いていないところだ。もちろん冷蔵ショーケースから直接選ぶこともできるが、その日の気分や好み、料理との相性でタイプを指定すればいくつかの候補に絞っておすすめしてくれる(¥500~700/90ml)。
料理は日本酒に合う和風が中心だが、チャンジャを乗せたクリームチーズ(¥500)や今日のポテトサラダ(¥550)、しっかりとした味付けで食べごたえのある塩豚角煮(¥600)など、ビールとの相性を考えアレンジされたメニューもバランスよく揃っている。
全席禁煙の店内は清潔感があり、白・ブラウン・ネイビーで統一された落ち着いたトーンの内装だ。4人掛けのテーブルが2つあり、8~10人程がゆったりと座れるカウンターは開放感があり、その日居合わせた客同士でも会話が弾みそうだ。