ベイ・マクニールは、横浜居住者であり、教師であり、作家であり、コラムニストでもあり、活動家でもある?
おそらく私たち全員がある意味ではレイシストだが、マクニールほど毅然として、かつ公に、自身が持つレイシズムや社会におけるそれに立ち向かう人はほとんどいないだろう。ニューヨーク州ブルックリンに生まれ育った彼は、10年前に来日し、教職に就いた。今でも教師の職は続けているが、近年、作家あるいはある種の社会活動家として有名になった。
数ヶ月前、マクニールは、日本のドゥーワップグループであるラッツ&スターによる「顔を黒く塗って」のパフォーマンスの放映取り下げをフジテレビに訴えるため、オンラインで嘆願書を立ち上げた。同グループによるパフォーマンスは、差別ではなく、ブラックミュージックに対する彼らなりの熱狂を単純に表現したものであると反論する人もいたが、「黒塗りの顔」は、海外、特にマクニールの生まれ育ったアメリカでは、かなり攻撃的(かつ差別的)な表現である。それが日本に何の関係があるかと問う人もいるだろう。マクニールによれば、「日本は外国からの観光客呼び込みに力を入れ、2020年の東京五輪主催の準備を進めている。そのため、そういった問題にはより敏感になる必要があるし、インターネットの時代に、完全なる無視を決め込むことはできない」と言う。「以前は容認していましたが、日本に住む期間が長くなるほど、私は日本における既得権利を持つようになりました。ここは私のホームです。姿勢を示す必要がありました」
マクニールの礼儀正しく、しかし毅然とした嘆願書は多くの支援を受けた。支援者の中には、日本ラジオの著名DJであるピーター・バラカンや、ニューヨーク・タイムズ記者であり、ピュリッツァー賞を2度受賞したチームの一員であるタブチ・ヒロコもいる。嘆願書は何千人もの署名を受け、その中には日本人のものも多くあった。フジテレビは、多くの人が安心したことに、パフォーマンスを取り下げた。
以前、マクニールは「Hi! My Name is Loco and I’m a Racist(やぁ! 私の名前はロコで私は差別主義者です)」(2012)という彼の著書の中で差別問題に取り組んだ。続編の「Loco in Yokohama(横浜のロコ)」(2013)では、彼を取り巻く人々との関係について、より焦点を当てた。彼はジャパン・タイムズのレギュラーコラムニストであり、黒人のアイデンティティーについて書いている。
マクニールは横浜での生活を楽しんでいる。彼によれば、横浜は彼が生まれ育ったブルックリンを思い起こさせると言う。「大都市ですが小さな町の雰囲気もあります」。そしてマクニールと一緒なら、横浜はもっと国際的な都市になるだろう。