多くの国と比較しても、日本には素晴らしい社会福祉のセーフティネットがある。しかし、家族が不足を補うべきか、または個人が自身の問題を扱うべきかというギャップもある。日本の自殺者数は毎年25,000人を超えている。5年前の32,000人よりもはるかに減少したが、この統計数は、依然社会にとって、また、犠牲者の家族、友人、同僚にとって、おそろしい。
TELLは1973年、日本語のメンタルヘルスサービスにアクセスすることが難しい日本在住の外国人のために、英語によるライフラインとして設立された。設立からおよそ42年後、TELLは何千もの人に仕え、幅広い臨床カウンセリングサービスを提供するよう拡大してきた。驚くかもしれないが、TELLのライフラインに電話をかける人の約60%が日本人だ。その理由は、メンタルヘルスが、ここ日本における社会福祉の「ギャップ」のひとつであるということが大きい。
多くの国において、メンタルヘルスにまつわる問題については大きな傷跡があり、同問題を抱える人で、そのうちサポートを求める人は約25%しかいない。最も大きな障害のひとつは、特に、弱さを見せようとしない人が多くいる職場において、否定的に判断されうるかもしれないという恐れである。
今年の9月10日は世界自殺予防デーで、次のようなテーマが掲げられている。「自殺予防: 気づきの輪、もっと広げよう」。TELLは、昨年から始めた「Talkie Walkie」というプログラムを継続・拡張する。同プログラムは、ただ散歩し(あなたが主催してもいいし、誰かの散歩に参加してもいい)、話し、失われた命を思い出すというものだ。
どのようにして散歩と会話が命を救うのだろう?実は、ある調査によれば「つながり」が自殺に対して価値ある保護策になるという。家族、教師、同僚、共同体組織、社会的機関といった肯定的な関係が、個人の帰属感を高め、自己価値を養い、サポート源へのアクセスを提供するのに役立つ。ほとんどの人にとって助けはさまざまな接触を含むが、疑問の余地なく、他者との強く肯定的な関係は、保護的に働き、自殺にまつわる考えや行動を防ぐ。
今年の9月10日の世界自殺予防デーは、友人や同僚と散歩をしながら会話をしてはどうだろう。昨年、私たちは横浜、横須賀、東京で散歩をした。「Talkie Walkie」イベント関する詳細については、TELLのウェブサイトを確認されたい。