キリンビールによって新しく立ち上げられたブルワリーレストラン、スプリングバレーブルワリーにはいくつかの驚きがある。キリンビール生麦工場内にある、この魅力的な店のロビーには、ビールに関連する書籍の図書館がある。バーカウンターには、好奇心豊かなアメリカ人による発明であるランドルが備え付けられている。ランドルとは生ビールにドライホッピングを施すためのもので、ビールをホップに満たされたシリンダーに通し、ビールにフレッシュかつビターな後味を付け加える装置だ。しかしながら、最大の驚きは、素晴らしく高品質の料理にあった。ビールももちろん美味しいが、フードがそこまで素晴らしいものとは思わなかった。これは絶対に工業ブルワリー運営のチェーンレストランのレベルではない。
ぜひともオーダーすべきアイテムはペアリングセットだ。こちらではその日のテイスティンググラスのラインナップによく合う軽食を提供している。食欲を尖らせ、どのビールが飲みたくなるか心に決めよう。メニューは国際的で、様々な土地の料理がお手頃なお値段で提供されている。私たちの数人は同僚とシェアすることなくケサディアにくらいついてしまった(ハーフ: ¥600〜、フル: ¥1200)。野菜とチーズを使ったフランスの地方料理であるタルトフランベ(ハーフ: ¥600〜、フル: ¥1200)をいくつかオーダーし、和解した。自家製スモークのバーベキューリブ(¥1400/¥2400)が食事のハイライトだ。シェアするのが気にならないなら、もう一つの選択肢として「ペアリングエクスペリエンス」料理もよいだろう。たった¥550から、それぞれのビールに合うものが用意されている。
スプリングバレーブルワリーは6種類の小規模醸造ビールを提供していて、それらすべてが高品質だ(私たちはビール中心主義者である)。工業ブルワリーによってつくられる典型的なライトビールを思い起こさせるようなピルスナーがある一方、残りは、IPAを含む様々なビールスタイルの創造的解釈に基づくビールであった。お酒は飲まないって? 心配ご無用。ソフトドリンクもたくさん用意されている。
レストランの天井は高く、席もゆったりと快適で、店内の雰囲気は明るく、美しい。家族にも仕事の会合にも、友人の集まりにもカジュアルなデートにもぴったりだ。訪れる際には、ぜひともランドルを通したビールを楽しもう。