入口の木製の大きな扉を開け、天井まで吹き抜けの店内に入ると、目の前にショー用の小さなスペースがある。右手の方からは、巨大なステンドグラスのアンティークが目に飛び込んでくる。辺りを見回すと、片隅に立派なカリオペがある。アップテンポのジャズミュージックが流れるこの店内は、ユニークなアンティークに包まれ、今までに味わったことのない不思議な雰囲気をかもしだしている。今すぐにでもピエロが踊りながら出てくるのではないかという気分にさせる。奥のバーカウンターに立っているフレンドリーな男性が温かく迎えてくれた。
パントマイム師として10年間パリに住んでいた経歴をもつ、オーナーのIKUO三橋さん。日本語に加え、フランス語と英語が堪能だ。手渡されたメニューに目を通し、まずは一杯、ヒューガルデンの生(¥1,000)をオーダー。ドリンクメニューは豊富で、ドラフトビールは琥珀エビスやエビス黒(全¥800)、ボトルビールは2種類の国産ビール、4種類のインポートビールから選べる(¥800〜)。その他、芋焼酎(¥800)やジン、ラム、ウォッカ、テキーラなどのハードリカーのご用意もある(¥800)。食事のメニューは、お手頃なおつまみ(¥500〜)からビッグサラダ(¥1,000)、サラミ・ミートピザ(¥800)など、ドリンクのお供にぴったりなものばかりだ。
当店の名物は、なんといっても週に2、3回行われるパフォーマンスを、美味しいお酒と料理を片手に楽しめることだ。スケジュールは日によって異なるが、空中で繰り広げられるエアリアルティシュ—やポールダンス、アコーディオンのデュエットやジャズのトリオバンドの演奏まで、多種多様にある。今晩はポールダンスと空中綱渡りのショーの真っ最中であった。友人連れやカップルで来店した客達は、目の前で繰り広げられる圧倒的なパフォーマンスに満足げな様子だ。たまたま店の前を通りかかった通行人も、店内から聞こえるミュージックと楽しそうな雰囲気に足を止め、引き込まれるようにして店に入ってくる。行きつけの飲み屋から少し気分転換して、たまにはこのような愉快な場所で飲むのもよいだろう。